山藤の花の表紙絵について
我々がふつう名所や公園で目にする棚づくりの藤は、野田藤の別名をもち、つるが右巻きで、花序も長く垂れるのに対し、山野に生える山藤は、つるが左巻きで花序も短いのが特徴である。この画に描いた山藤は、毎年ドクタービレッジ内で紫色の蝶形花を咲かせていたに違いないが、花の咲く時期に来合わせなかったせいで、こんな身近に山藤があるのも気づかなかった。それだけに去年初めて梅雨の晴間に美しく咲いているのに出会えた驚きには言い知れぬ感動もあったのだった。
二十年来慣るる山の今にして斯(か)く藤みるを誰に告げなむ
人目なき山地に藤の気品たつ
目次
風聲庵日録 千木 貢
- みどりのシャワーを浴びる 6月18日~6月23日
- 野生の姿に慰められる 7月6日~7月31日
- 雨、雨、雨の夏の日々 8月1日~8月20日
短歌
- 雉蓆・・・・・・望月 綾乃
詩
- 一年生とハエ・・・・・・高丸 もと子
俳句