2017年 秋号
- 茨城の友 望月 綾乃
- 人生を面白がれる自在心 昭和ひと桁(けた)の友に乾杯
- 汁の実に放つ山独活(やまうど)ほほえみのそれにて足るを老いといふなり
- 山すそに群がり咲きし繡線菊(しもつけ)の淡紅(うすべに)うすれ草に覆はる
- 外来種の奢(おご)りに火(ほ)垂(た)ると見たる花ほたるぶくろも山のまぼろし
- 鍔(つば)広き帽子に美肌隠しつつ野歩きせし友いまは如何ぞ
- 亭々と庭に峙(そばだ)つ犬ざくら立秋またずはやも散りそむ
- きり霽(は)るる富士の裾野を遠響(とほどよ)む花火あがりてこころ慰む