2017年11月9日(木)
午後三時半過ぎに山荘に着く。気温10度。
十月は村会議に出席するため午後に来て、翌朝帰るという慌ただしさで、一晩だけ山荘に泊まったが、それだけなので十月の日記はない。時期が早く、紅葉を見たといった記憶もなかった。
青木ヶ原樹海の紅葉もすでに盛りを過ぎて、初冬のわびしい感じだった。枯葉の一面に敷き詰めた駐車場に車を入れる。
今日は晴れて温かく、空気も乾燥しているので思いの外体調は良い。荷物を運び入れて、すぐに風呂の支度。夜はスーパーで買ってきたほうとうにキノコや野菜を入れた鍋。この季節のキノコは香りが高く、スーパーで買ったものでもおいしい。
2017年11月10日(金)
晴。七時気温5度。昨日も今日も風が強い。
十時7度。正午9度。紅葉の地に落ちてカーペットのように路上を敷き詰めた景色を何というのか。
散り紅葉とでもいうのだろうが、何かもっと洒落た呼び名をつけてみたい感じがする。
今日は晴れても一日風が吹き荒れている。終日富士山が見えている。そして日が傾くと急に気温が落ちてくる。四時6度。富士山はややピンク色に染まる。
2017年11月11日(土)
晴。明け方まで風雨が激しかったが、すっきりと晴れてきた。
十時11度。夏からずっと雨の日が多かったので、ベランダの板の割れ目に種が毀れ、何かの植物の小さな芽が生えた。板が乾いたら防腐剤を塗らなければいけない。
昼近い時間にSさんがお寄りになる。畑でとれたという大根を持ってきてくださる。むかしはこの辺りでとれる大根を豊茂大根といって、よく知られていた。私も山荘を建て、畑を作り、まず大根を育てた。大根を軒に長いこと干して作ったたくあんは絶品だった。
午後、散歩しようとしたらちょうどFさんがお寄りになったので、一緒に散歩する。今日は富士山がよく見える。寒くなく、風もなく、陽ざしを浴びながら散歩するにまことにいい日である。定住しているFさんは日に七千歩ぐらい歩いているという。街中でとてもそんなには歩けない、ここだから歩くに苦もなくて、実に健康に良いという。
四時気温12度。
2017年11月12日(日)
晴。今日は兄の納骨があって、南アルプス市まで下る。
本栖湖沿いの道を抜ける国道300号線を走る。山の中の道は紅葉に彩られ、下に行くほどに華やかさを増す。この季節にここをドライブするのは初めてで、ずいぶん美しく気持ちのよい道だ。観光の車が多く、所々で停車して写真を撮っている。
寺からの帰りに今度は逆に走ると、また角度が変り、紅葉の山が別の美しさを見せていた。今日は体調がよくなくて、途中で車を止めて休んだ。車を停めても写真を撮る気にはならなかった。
三時過ぎに山荘に着く。気温5度。寒い一日であった。
夕方、隣りの敷地を鹿の親子連れが四頭通過していった。
2017年11月24日(金)
正午山荘着。今年は富士山の雪の量が多いような気がする。ともかく寒い。体調も良くない。
今日はよく晴れていて空が真っ青だ。夕方には富士山もピンク色に染まる。
夜七時マイナス2度。
2017年11月25日(土)
今日も快晴で富士山もくっきり。富士山の雪も堅く、いかにもつるつるとした感じ。頂上付近で滑ったら、五合目あたりまで滑落すると聞いたことがある。陽ざし眩しく風もないから今日は気温も上がるだろう。秋から冬にかけて毎朝本栖湖の方から朝霧にかけて国道沿いに濃い霧の帯ができる。ここからは雲の川に見える。
正午5度。村会の会議に出席。
夕方五時0度。
2017年11月26日(日)
晴。雲はやや多いが陽ざしはある。七時マイナス2度。
午後、Fさんが「ドクター・ビレッジの四季」次号の原稿をお持ちになる。ちょっと周辺を歩いてみる。すでに何もない淋しい風景で、鳥の声ばかりがする。それでもむかしに比べて、随分と人を見かけることが多くなった。大きなスズメバチの巣を軒にぶら下げている山荘がある。気温が低いからもう蜂の姿は見ない。風が冷たい。
三時気温5度。
2017年11月27日(月)
雲が多いが今日も晴れた。朝食をとっていると、我が家から見えていた富士山を隠すように丈の伸びた隣りの敷地の松の木々を、何匹かのリスが上り下りしているのが見えた。松ぼっくりの中の松の実を食べに来るのだ。動きが早くて、動作が鈍くなった私はカメラを構える前に姿を見失ってしまう。
一時半6度。風もなく穏やかな日で、一時間ほど見晴らしからぐみの郷にかけて散歩。馬酔木の木はこんな季節にも花芽が色づき生き生きとしている。風のあたらないところではまだツルウメモドキの実が残っている。
五時、陽が落ちても、今日は急に気温も下がらないで3度。